日本デザインセンター設立者のひとりで、社長でもあった原弘(はら ひろむ)さんの展覧会もみてきました。ポロック展と同時開催なのです。 おお、カッコイイ。 原弘と東京国立近代美術館 デザインワークを通して見えてくるもの @東京国立近代美術館 5月6日(日)まで 亀倉雄策さんはわかっていても、原弘さんについては私あまり知りませんでした(すいません、無知です)。でも今回展覧会を見て、たとえば プロパガンダ・グラフ誌『FRONT』 は、デザインの雑誌などで見た記憶がありますし、あれやこれや見かけたもの、かなりたくさんありました。 国立近代美術館が京橋に開館した1952(昭和27)年から1975(昭和50)年まで、23年間にわたって、展覧会ポスターをほぼ一貫して手がけていたのですね。 そのポスターがずらりと展示されていたのですが、本物のポスターと対比させるように、なんと「版下」、指定紙も展示されています。赤字入りです。手書きのタイポと、赤鉛筆での指示入れ。さらに特色チップを、ぺたぺたっと貼りつけて。この指示の入れ方が、とってもリアルで面白いのですよ。 ところで、版下(はんした)って、わかりますか? 印刷するために印刷屋さんへ依頼するための指示を添えている原稿です。文字や絵などをバリバリと、切り貼りしたものです。 いま、イラレやフォトショで、ちゃちゃっと加工して、文字もたとえばMB101などで組む、Macでデータ入稿な時代。その昔は、こういう手作業をしていました。写植屋さんや製版屋さんもいましたしね。 版下があった時代って、デザインが好きで好きで しょうがないようなデザイナーさんが、せっせと版下に向かって、ピンセット持って赤えんぴつ持って向き合ってい たような気がします。いま、Macでレイアウトし ているデザイナーさんを見てると、ほんとにデザインが好 きなのかな?と疑問に思うこともあるのです 。デザインが好 きということじゃなくて、コンピュータが好きなの かなあ、と。それは、モニタに向かっているだけだから、仕方がないのですが、難しいなあ。 もちろん、デザインがすごく好きな人もいますから、一概にはいえませんけど、手描きの指示原...