活版印刷屋さんへ名刺を依頼することになったことについては、「今度は活版印刷の名刺(1)」「今度は活版印刷の名刺(2)」をご参照。
そろそろ連絡あるかな?と思っていた矢先、活版印刷の弘陽・三木さんから文字校依頼の電話がありました。雨もあがったので、自転車でひとっ走り、湊へ。
入口です。看板がでていないのでわかりにくいのですが、郵便局のすぐそば。トビラに社名がちらっと貼ってあるだけ。
「これなんですよ」と出してくださった試し刷り。なんと、紙質4種類。すべてステキです。
左から
●ドイツ製「ヴィラージュ」:上品でまぶしい白。少し薄い紙質。
●日本製「ハーフエアコルク」:ヘンプ、コットン。かなり黄色みがかっています。紙質厚めです。
●日本製「GAファイルホワイト310Kg:薄い生成り。これも少し厚みのある紙質。
●日本製「わたがみ雪」:薄い紙質で白。ウラがザラザラとした質感で、人によっては裏に刷る方もいるとか。
活版らしさが出ているもの、ハーフエアコルクが質感がよく出ていて、しっくりくるかな。
刷るところも、少し見学。下は、活版の版。私の名刺になる元です。
下は、刷るための機械。
三木さんが触れているハンドル部分を上下させて印字して、圧をかけます。
インクです。ヘラで丸い部分に薄く、下から上へ塗りつけます。
いよいよ、版をセット。
左のハンドルできゅっと圧をかけ、少しだけ押すことで活版ならではの味をだすのです。
刷りたてほやほやの名刺を見せてくださった。微妙にかすれていたりするのが、なんとも愛おしい。
三木さんは「いま、自動で活版印刷できるけど、自分としては手でいちまい一枚刷りたいと思っている。自動だったら、なんだかカチッと冷たい仕上がりに見えるし、最後の圧をかける加減を人がやることで、やさしい仕上がりになると、ぼくは思っているから」。
そうそう、私もそう思う。紙も1枚1枚台に手で置いていく。その微妙なズレも、楽しめそう。
この仕事が好きでされているんだろうなあ。お客さんが喜んでくれるのが、なにより、とニコニコしながらお話をされていた。
さらに、スペシャルなおまけで、1枚だけ人間国宝の方が作った紙の名刺を刷ってくださるとのこと。「混ぜておくからね」ですって!
三木さん、「自分がこれ持っていても、使わないしねえ。お客さんに1枚だけそれに刷って、渡しているんだよ」。1枚何百円もするような紙だとか。うわあ使えない、渡せない。
たぶん、もう刷り上がっているので、お天気のよいうちにまたチャリでひとっ走り、行ってきます。楽しみ、楽しみ。
→「今度は活版の名刺(4)」へ
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