先日、このお二人のお話しを聞いてきた。
【瀧本幹也×服部一成】青山ブックセンター本店(表参道)で瀧本幹也最新写真集『LAND SPACE』刊行記念トークショー開催。同店では、同書に収録した作品プリントを展示中。— 青幻舎さん (@SEIGENSHA)
瀧本さんの今回の写真集は、「LAND」(風景を撮影)と「SPACE」、2つのシリーズをミックスしてひとつしたという1冊。
「LAND」については、以前から何年もかけて、少しづつ撮り続けていた写真。
「SPACE」を撮り始めたきっかけ。
●カメラメーカーの広告の仕事として、発注されたわけではないけれど、とりあえずおさえておこうと、スペースシャトルを撮影に行ったことがきっかけ。若田さんが出発のとき。
●1回目に行ったときは、撮れなかった。というか、まともに、撮れる手続きすらとれなかった。
●2回目に、報道という名目で許可がおりたが、シャトルには近づけなかった。
●3回目。それまでに撮っていたものを関係者に見せ、(雑誌「SWITCH」の契約社員として)やっと許可がおりた。
NASA関係者に見せた写真は、4×5、8×10という大判カメラで撮ったもの。それらを配布したことで、「文化的遺産になるかもしれない」との判断によって、許可がおりたそうだ。もちろんその後もずっと、大型のもので撮影していたそうです。
撮影ポイントの苦労
●撮影ポイントの設定は、行く前にグーグルマップで綿密に計算し、設定。
●爆風やジェットの圧力で、飛ぶ時は近づけない。そこで、無人状態でフィルムカメラ(大判)のシャッターを切るために、5台のカメラに特注装置を取り付けた。何かしらの音がなると、シャッターを切る仕組みにしたもの。なので、誤操作も多く、結局5台中4台が失敗したらしい。
などなど、撮影にまつわるエピソードが満載の写真集だったようだ。
「SPACE」カテゴリーの写真は、本当に美しい。写真集サイズが異常に大きいのも、うなずける。
「LAND」については、ある程度まとめてみて編集したところ、なにか物足りなくなり、結局追加撮影したそうだ。その場所は、トルコのカッパドキア。
この写真集に何点掲載されているのかわからないが、カッパドキアのことは、このお話しを聞く前に、rheninさんのブログを読んでカッパドキアの写真をたくさん見ていたので、そのリンクっぷりに驚き。
さて。
この写真集のデザイン、そしてポスター制作も担当した服部さんは、制作の段階であまり詳しく聞かず制作に臨んでいたようだった。写真の並べ方については、それぞれで意見を出しあって進めたようで、服部さん案に近いものに仕上がったらしい。とはいえお互いにほぼ同じような展開を考えていたようなので、それは長い付き合いのある同士だからか。
服部さんは、スペースシャトルへの強い思いも、風景への思いも強く持ちあわせていないと語り、単純にデザインの、見た目の強さなどを計算しながら制作に携わっていたのでしょう。
制作過程の話が聞けたのは、収穫だったかな。服部さんの話は、かなりそそられるものであったので、引き続き何かの機会にお話しを聞いてみたいなと改めて思った。そのへんは、いささか消化不良ぎみのまま、帰路についた。
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