川端誠さんの落語絵本シリーズは、好きな絵本のひとつ。落語絵本シリーズはほとんど読んでしまい、他の野菜シリーズなどもだいたい読破。十二支シリーズなどもあるけど、キャラクターが立っているものでは、残りはこれくらいだったので、借りてみた。
主人公は、その名のとおり風来坊。木彫りにかけては天下一品のお坊さん。なので、中には木彫りの像がいろいろと出てくる。このシリーズの絶版になっている2冊を少しだけ以下に。
「かえってきた風来坊」
いくさ好きの殿様の宝、いくさの神様である武人像(ぶじんぞう)を、町の子どもたちが燃やしてしまったため、殿様は子どもたちを火あぶりにすると、おおさわぎ。
そこにあわられた風来坊が、武人像をまっぷたつにして、3日で百体彫ると宣言。子どもたちも心配するなか、そして3日後。。
これは、十一面観音菩薩というものでしょうか。私はあまり詳しくないのですが、おそらくそれ系のものですよね、きっと。
クライマックスは、本当に見事。
「風来坊の子守歌がきこえる」
風来坊は、火につつまれた村から、ひとり泣く小さな子どもを救います。いつかこの子の親が子どもを探す際、めじるしになるように、かわいくて(これがとてもせつない)母子像を彫り、子どもがいた場所に置いて小さな子を自分の手で育てることに。
男手ひとつで、救った子どもを育てる風来坊。読んでいて、じわっと涙ぐんでしまった。
続きは、借りるなどでぜひ読んでみてください。このシリーズ、男の子ならたぶん気に入るはず。お父さんも、読み聞かせするにはしっくりくるのでは。かなりおすすめ。
川端誠さんの絵が力強くて、キャラクターの風来坊はぶっきらぼうだけど魅力的。登場する彫り物も、細かい施しがされていて立派。
内容的に、どんでん返しもなく、大げさではない。キラキラとした派手さはないが、でも、ずしっとしんみり、じんわりと届く内容です。どちらかというと、大人に届くのかもしれない。
シリーズはおそらく5冊。いま入手可能なのは、以下の3冊。かな。
◯「風来坊」
◯「風来坊 危機一髪」
◯「さくらの里の風来坊」
絶版となっているであろうと思われるものが、上記で紹介した写真の、たぶんこの2冊。
◯「かえってきた風来坊」
◯「風来坊の子守歌がきこえる」
私は、いわゆる日本の昔話は好きなので、古い絵本は同じようなものをよく借りる。創作絵本はたくさんありすぎて、定番以外の面白い絵本と出会うのは正直少ない。最近読んだなかでヒット作だったのが、このシリーズだった。絶版の2冊は、図書館で私は借りたので、それも含めてぜひ読んでみてください。
というか、どこかの出版社でこのシリーズをまとめて出したらいいいのに。知り合いに、聞いてみようかなあ。
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