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ギャラリーぐるぐる6か所めぐり

ずーーっとバタバタ、時間に追われている。
先日も、朝から企画・提案書を作り続けていた。
出来あがって、すぐメール。
そして、打ち合わせへ駆けつける準備をしていたら、
なんと、行かなくてもいいことに。

ありゃ?と、拍子抜け。。でも、待てよ。
これはたぶん、がんばっていた私への、
神様からのごほうびなのかも。
と解釈したわけです。そう思ったら、
なんだかとてもラッキー、
ハッピーな気分になってきた。

じゃあ、この「ごほうび」の時間、
自分のために有効に使わなくちゃ。

てなわけで、観に行きたかった展覧会やギャラリーを
ぐるぐると6か所まわる予定を、急きょたてたのです。
いくつか候補があったけど、ルートは、
汐留〜銀座〜田原町〜浅草橋〜浅草という流れで決定。

まずは、
1)「今和次郎 採集講義」
@パナソニック汐留ミュージアム














今和次郎(こん わじろう)
1888年明治21年)7月10日 - 1973年昭和48年)10月27日)。民俗学研究者。民家、服装研究などで業績があり、「考現学」を提唱し、建築学、住居生活や意匠研究などでも活躍。東京美術学校(東京藝術大学)出身早稲田大学理工学部建築学科で長く教壇に立ち、日本生活学会会長、日本建築士会会長も務める。どこへ行くにも背広でなくジャンパーを着ていた。


というお方です。イラストレーターの大田垣晴子さんは、
学生当時、小池一子さんのアドバイスで、
考現学っぽい活動をはじめたそうですよ。
もしかしたら、今和次郎さんの影響もあるのかもしれません。


柳田国男さんとの交流と民俗学、考現学、
住居学、震災がらみなどについての言及は
専門の方がいらっしゃいますし、
私はこのような学問、詳しくありませんから、
デザインと内装についての感想を。

観に行くまえにカタログは入手。
少しだけ予習して向かいました。

●生きていたらイケイケの
イラストレーター、デザイナー?

細かい線、細かい文字、細かいレイアウト、
手描きによる仕上がりのクオリティがすごいです。
文字の配置、囲み、飾り文字などなど、
どんだけ書き込んでいるのやら。
図録でカラー掲載されているものもありますが、
本物から伝わる情報量が、ぜんぜんちがう!
サービス盛り盛り、超サービス精神あふれる表現、すばらしい。

●インテリア・デザインも手がける、
超人気クリエイター集団?

バラック装飾社の活動を見ていると、
インテリア会社ですね。
あと、くらしまわりすべてのデザインを手がける
原研哉さん、吉岡徳仁さんなどかな。
ブティック的なインテリア・デザイン集団。
さらにマーケもやるよ、と。

この方、意識の比重が「絵を描く、デザインする」ことに
置かれていたのでは。職人、デザイナー。
なんとなく、ですが。手を動かす人=今和次郎。
分類自体より、単に描きたい欲求があったのかなあ。
さらにインサイト、人の中身、内面より
表層的な部分、オモテ、見た目への興味。
(都築響一さんが同じようなことを
カタログで書いていて、びっくり)

うーん、うまくいえない。
すぐにはわからないが。
見終わった直後の印象は、そんな感じ。
展示替えがあったら、また行ってみます。
これは時間をつくって聞いてこようかと思ってる。

で、つぎは銀座へ。
2)田中一光ポスター1980-2002」展
@ギンザ・グラフィック・ギャラリー




























汐留から歩いて、gggの田中一光展へ。
田中一光先生。
事務所のお昼ごはんは、スタッフの分も
手作りでふるまっていたと聞きます。
とても高ーい器に盛りつけて、
召し上がっていたんだろうなあー(想像)。

ああ懐かしい、西武全盛時代のポスターがずらり。
こういう「大人のポスター」は、
本当にいま見かけなくなった。
このご時世だからなのか。写真の時代なのか。
このようなデザインが、世の中的に古いと思われるのか。
デザイン力の低下か。世の中が、幼稚化しているのか。

写真を使うより、デザイン力やアイデアが問われる、
そんなポスターに圧倒され、いささか疲れてしまった。


そして、銀座線で田原町へ。
ここは、ライターさんのオフィスの1階にあるギャラリー
Gingrich(ギングリッチ)です。
入り口です。

中から外をみると。

本は、編集オフィスの方のものでしょうね。

掲載雑誌などはテーブルに。

雑誌掲載時に同行されていたライターさんによる紹介文も展示。













大森さんの写真をちゃんと撮りたかったけど撮れず、腰が引けてる。










































































3)大森克己写真展「Los Angeles/ロス・アンヘレス」
@Gingrich(ギングリッチ)(田原町)

大森さんの写真は、私はロック系の撮影をされている時の
印象が強かったのです(かなり古い)。

この展示は、ちがいます。
「Los Angeles」とは、スペイン語で
「天使たち」という意味だとか。
展示されている作品に気遣って、
写真はちゃんと映らないようにしてしまった。

以前、ポーラミュージアム(銀座)で観たものとは
ぜんぜんちがうテイスト、それにびっくり。
でも、とてもじんわりとくる写真でした。

つぎは、歩いて浅草橋のギャラリールルーへ。

4)花代・飴屋法水展
@ギャラリー ルルー(浅草橋)





















会期がこの日までだったことをふと思い出し、
急きょ浅草橋まで、てくてくと向かってみた。
2年前だったかな、
飴屋さんの西巣鴨で行ったインスタレーションの
幻想的な雰囲気が蘇ってきた。
ギャラリーの外と室内の空気と時間が
とても歪んでいるような感じで、頭がクラクラした。


●ギングリッチからギャラリールルーへ向かう途中、
以前から気になっていた古いビルを発見。
タイガービル



さらに、知っている方がお茶漬けで食べるとおいしい、
と言っていた佃煮屋サン、鮒佐も発見。























興味深いエリアだなあ。
今度自転車で来てみよう、浅草橋。


そして、浅草橋から地下鉄で、浅草へ。
5)大森克己写真展「言語と音楽と情熱」
@マッチアンドカンパニー書庫(浅草)
書庫を発見。

本がずらり。





大森さんの写真。寄りで撮れなかった。やっぱり腰が引けてるなあ

これもこんなに引き。。

雑誌に寄稿した記事と、お友だちの写真家を撮ったもの。

じーっと読んでますね。

こんなに写真集が、山積み。

ていねいに読んでくださっています。


佐内さんだ。

ナマのプリントは手袋して見ていいですよ。

こんな大きなサイズなんです。みてくださいね。村中女史より。









































この日、2つめの大森さんの展示へ。
あったあった。ここだ、書庫のあるビル。
靴を脱いで、村中サンにいろいろ案内されつつ、
展示写真、雑誌の寄稿、お友だちの写真家を撮影したもの
などをゆっくり拝見させていただきました。
ナマのプリントもあって、
白い手袋をしてそれも一枚一枚、
みさせていただいた。
ぜいたくだなあ。ありがとうございました。

あとから大森さんもいらして、
共通の知り合いの話で盛り上がってしまった。
楽しかった!書庫、不思議な空間。
村中サンのおかげです。ありがとー。


さて、最後は同じ浅草内、アサヒビールのビルへ。
6)北川貴好フロアランドスケープ
「開き、つないで、閉じていく」
@アサヒ・アートスクエア(浅草)

缶が埋め込まれていて真ん中から水がちょろちょろと。

全自動洗濯機が3台、水が入って稼働中です。洗濯はしていない。

植栽もあり。


とてもキレイ。

ビールなどの缶がぎっしり。


洗濯機からの排水がぶくぶくと上にはみ出してる。

ベッド完備。一人暮らし用?




ここからも水がちょろちょろと出ている。















靴を脱いで、全自動洗濯機の行程を見続けてみた。
水が吹き出してきて、不思議なカンジ。
じつはいま、自宅の洗濯機の排水がおかしいので、
そのシンクロ度合いにびっくり。

つい見続けてしまうような、不思議な空間でした。
気持ちがいい。ビールを飲みながらでもいいみたいです。
飲まなかったけど。

外に出てみると、キレイな月。上限の月かな。






















あー、楽しかった。
発見もあった。
気づきもあった。
さてと、戻って仕事しよ。。

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