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基礎ってなに? 青空教室 第1回「動く家、仮の家」@東近美

秋が深まってきました。夜は肌寒い。
そんな秋分の日の夜、東京国立近代美術館へ。

レクチャーシリーズ「青空教室」@夏の家


第1回|動く|  牧紀男(計画家)、中谷礼仁(歴史工学家)、坂口恭平(建築家など) 
9月22日(土)18:00-20:00
テーマ:「動く家、仮の家」
※坂口恭平さんは現在海外にいるため、Skypeによる参加。



登壇された方それぞれの立場から、「動く家、仮の家」についてお話されたのですが、とても興味深い話が続々。わたしは、建築の専門家ではないので、専門用語や建築家の人名などメモったのですが、外で薄暗くメモもちゃんととれず、話の内容も思い出せなかったり、という感じでしたけど、それをぬきにしても、とても面白い話がたくさん聞けた。

牧紀男サンは、京都大学 防災研究所巨大災害研究センター准教授で計画家という方。国内外の仮設住宅、バラック、そしてイギリスのNGO「シェルターボックス」が建てたテントなどを紹介。

中谷礼仁サン。歴史工学家の方。早稲田大学創造理工学部建築学科教授でもあります。一方、ご自分で編集出版組織体アセテートを主宰、これまたユニークな出版もされています。
中谷サンは、現在さまざまなフィールドの方と連携して調査を続けている「千年村・古凡村」研究についてを発表。あと、瀝青会における著書、今和次郎「日本の民家 再訪」の一例である、糸魚川の船小屋周辺調査を紹介。さらに、ちゃんとメモってないから、詳細おぼえていないのですが、コルビュジエのドミノハウスについてもお話されておりましたけど、詳細メモできなかった。

坂口恭平サンは、もちろんモバイルハウスについて。「モバイル」の解釈がいわゆるケータイ電話などのモバイルとはちがい、土地に定着しない、という意味で「モバイル」というワードを採用しているとか。なるほど。

気になったこと。
坂口サンの著書「独立国家のつくり方」の“独立”とは、エネルギー、ライフラインからの独立でもあるのでは?(牧サン)。“独立”ではなく、制度をどう解釈して抜け道を探っているのでは。独立したら死んじゃうかも(中谷サン)
●ひとは助けてもらうと、助けてもらい慣れてしまう。災害になると、車が重要になる。車には住まいが集約されている(牧サン)
●電気のシステムは、法律であり、国家でもあるのかもしれない。もともとは電気も地産地消していた(中谷サン)

これ、私のメモがほんとに合っているのか、かなり微妙です。。

いちばん気になったのは「基礎工事」の話。基礎がなければ、日本では家が建てられない。牧さんによると、仮設住宅には基礎がなく、数年前までは2年で基礎を作らなければならない法律だったとか。いまは制度が変わったそうですが。

中谷さんによると、神社は基礎がないそうです。石の上にお神輿のカタチをした神社が乗っかっているそうです。もともと、神社はお神輿と同じく、持ち上げると移動できるものだったとか。そうなんだ!知らなかった。これには、本当に驚いた。

さらに、図面というものの存在にも触れていた。バラックを建てるときやセルフビルドの場合は、図面はまず必要ない。図面はさまざまな方へお金を生み出すために、存在しているかもしれない。という言葉にも目からウロコ。ちなみにこの会場に建てている「夏の家」ですが、スタジオ・ムンバイさんも図面なしでここへ建てたらしいです。

坂口さんも、基礎に対する違和感を抱かれていたそうですが、私も基礎、基礎工事ってなに?と思います。自分でコツコツ家を作れるなら、基礎なんていらないんじゃないの?と。ライフラインを引くために、役所とタフな交渉が必要になる、とか、税金のことがからんでいるのでは?という気がする。建築基準法も、なんだかあやしげ。これについては、くわしい方にうかがったり調べてみたいと思う。

skypeの調子が悪くて、坂口さんの音声がとぎれとぎれなのが、とても残念だった。坂口さんの体調も思わしくないとお見受けしたので、できの悪い生徒からの要望として、ぜひ補講を希望したい。もちろん、この御三方で。なぜなら、お三方はそれぞれの立場で国(や制度)と自分の活動を、どう折り合いをつけていくかと熟考されている方だと思うから。今という時代だからこそ、このお三人の活動を複合的に捉え、それを共有する、そして新しいアイデアをぜひうかがってみたい。

いずれにしても、もっと自由に自在に、家や空間が作れるようになればいいのに、と思う。専門の方がいなければできない、とか、大家さんとの兼ね合いがあるから、とか、そういうのは抜きにして、移動できる空間や、レゴを組むようにセルフビルドできたら、どんなにいいだろう、と。特に、いま賃貸で家やマンションなどを借りる場合、おきまりの間取りであることがとてもきゅうくつに感じる。私は家で仕事をしているので、その活動にふさわしい空間って本当にないので、切実です。

さて。第二回目も、とてもおもしろそう。都合をつけて、行ってみたいと思っています。

第2回|考える|  藤森照信(建築史家)、塚本由晴(建築家) 司会:後藤治(建築史家) 
9月28日(金)19:00-21:00
テーマ:「家の条件」
「家」が「家」であるのは、屋根があるから?壁で囲まれているから?インフラがあるから?これからのすまいをつくるための、家のガイドラインについて、世界の民家を参照しながら、考えていきます。

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