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日本の新進作家vol.12 路上から世界を変えていく@ 東京都写真美術館へ


月曜日は、一部の美術館を除いて、ほとんどの美術館やギャラリーはおやすみ。特別な場合を除いて。というわけで、9日(月)は、この展覧会の内覧会で、特別に開館していた。

日本の新進作家 vol.12
路上から世界を変えていく
2013/12/7(土)〜2014/1/26(日)
東京都写真美術館

出展作家
大森克己/林ナツミ/糸崎公朗/鍜治谷直記/津田隆志















この左の作品は、大森克己さんの作品<すべては初めて起こる>シリーズのひとつ。私は以前、銀座のポーラミュージアム・アネックスなどでこのシリーズをいくつか拝見した。2011・3・11以降、東京から福島へ桜のシーンを撮り続け制作したというもの(だったはず)。とてもおもしろい見え方がする、不思議な作品だなあという印象。アメリカン・クラッカーをモチーフにしているんです、たしか。ぼよんとぼやけている部分、あれはアメリカン・クラッカーです。その、ぶつかった衝撃の錯覚もよく見えるし、でもそれだけでない錯覚かもしれないし。あったかいのに、冷たい、人の気配がないのにいそうな感じ、というか。とても不思議。目の錯覚かもしれないし、それが反対にリアルでもあったりする。相反するものが行き来するようで。うー、うまくいえない、すいません。

出展されている糸崎公朗さんは、かつて世田谷美術大学に私が通っていたときに、講師としていらしていた方。ご本人がいらしていたら、ごあいさつをしたかったのだが、探しだせなかった。糸崎さんは、ワークショップのときも、とにかく街に出て路上で撮ってみようというスタンスの方だった。作品も、大阪の街角だったり、東京の片隅だったり、その一角を撮り、紙工作に仕上げてみたり、寄りに寄って、まるで虫が巨大怪獣のように撮影してみたり、とにかく視点がおもしろい方。

レセプションって、ほんとに人が多くて、ごあいさつもしにくいし、とても微妙な空間。引っ込み思案な人や物静かなタイプの方は、とても大変です。。大森克己さんは、とにかくお忙しくて、あちこちで呼び止められているご様子だった(そりゃそうですね)。

そういえば、建築家・磯崎新さんもちらっとお見かけした。カッコよかったな。

帰りに、知人と食事してふらふらと隅田川。さすがに寒い、冬の夜。萬年橋には、まだライトが灯っていた。清洲橋は21時にライトが消えるけど、萬年橋はもうちょっと遅いんだった。







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