小雨降るなか、原宿VACANTへ。『マームと誰かさん・よにんめ 穂村弘さんとジプシー』を観るために。
マームとジプシーとは、こんな劇団。以前から興味があったのだが、なかなか観られなかった。2年前、SNACで飴屋法水さんとの共同作業による上演、
青柳いづみ企画「マームと誰かさん/飴屋さんとジプシー」
藤田貴大×飴屋法水 (清澄白河snac)
これもすぐ売れ切れてダメだった。なのでこの追加公演、とても楽しみにしていた。
追加公演だったから、ちゃんと座れた。私が到着したのは、開場15分前ぐらい。けっこう早めだったので、席は自由に選べた。どこにしようかなあと迷いながら、同行中二女子、「招待席があるよ。この前なら、いいんじゃない?」と、とても的確な選択。ドリンク券を持参し、私はビール、同行中二女子はジンジャーエールを受け取り、席へ戻った。ほどなくして、うしろに座ったのは穂村弘さん、つまり、ほむほむ、そしてほむほむのお父さんだった。なんと、まあ。
補足すると、芝居が始まるまで、穂村さんがどのように登場するのかはわからなかった。結局、穂村さんは舞台に立つわけではなく、ビデオ出演なので、観客席にいたのだろう。
芝居(というのか、微妙)は、青柳さん(今回出ている唯一の役者)の実家エリアを穂村さんが案内してもらい、そこから家族のことや引っ越しのことなど、詩と現実と虚構、いくつもの異なるシーンを交差させて展開する。映像も途中挿入される。
今回のテーマらしきものは、呈示されてはいないが、おそらく「引っ越しと家族」だったのかもしれない。穂村さんは、お父さんの仕事の都合で、引っ越しを繰り返していたらしい。過去を思い出しながら語る映像が流れる、お父さんもそれを聞いていると思うと、ちょっと、ぐっときた。
会場を出て明治神宮前駅へ向かう途中、ふと前を見ると、ほむほむ父子。交差点の信号で、ひとり振り返らずに駅に向かい帰る父、それを交差点の離れたところで見守る子。ほむほむ、ずっと見送っていたようだ。
親のことは、私もいつか頭と心を整理して、かたちにしなければ、と思っている。あまり時間はないかもしれないから、ゆっくりできないな、たぶん。
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